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【第6話】スキルで勝てない私が採用された理由。面接官に響いた「本当の武器」とは

目次

崖っぷちで挑んだ最後の面接

1週間で会社を辞め、再び無職の世界へカムバック。もはや私のメンタルは風前の灯火。貯金残高は見るのも怖い。まるで、人生のHPが残り1になった状態です。

「もう、WEBデザイナーは諦めるしかないのか…」

そんな考えが頭をよぎる中、私は最後の力を振り絞り、もう一度だけ転職サイトを開きました。そして、今の会社と出会ったのです。まるで、暗闇の中で一筋の光を見つけたかのように、私はその求人に吸い寄せられました。

その会社は、自社でメディアやECサイトを運営している事業会社。募集職種は「WEB担当」として、サイトのデザインから更新、管理まで幅広く任される仕事でした。私が求めていた「WEBデザイナー」の仕事に限りなく近い。しかし、スキルがない私が、また同じ過ちを繰り返すのではないかという不安もありました。

もう後がない私は、これまでの経験と失敗をすべて正直に話すことにしました。スキルが未熟なこと。ブラック企業を1週間で辞めたこと。面接官は、私の話を静かに聞いていました。手応えは、正直わかりませんでした。しかし、私はここで勝負に出ることにしたのです。

そして、面接官にこう伝えました。

「私にはまだ、高いデザインスキルはありません。でも、どうすればサイトが良くなるかを考え、学習し、実行する『計画性』だけは誰にも負けません。訓練校時代も、卒業後の目標から逆算して、毎日やるべきことを計画し、実行してきました。スキルがない私が唯一アピールできる、最後の切り札でした。」

スキルで勝負できないなら、別の土俵で戦うしかない。書類選考を突破するために、私が唯一磨き上げてきた「魂の履歴書・職務経歴書」も、この計画性をアピールする構成にしていました。履歴書一枚一枚に、私の血と汗と涙が染み込んでいると言っても過言ではありません。

私が採用された、本当の理由

数日後、私の元に届いたのは「採用」の通知でした。信じられない気持ちで、震えながら承諾の連絡をしたのを今でも覚えています。まるで、夢でも見ているかのようでした。

入社して数ヶ月が経ったある日、私を採用してくれた上司(元面接官)と話す機会がありました。私は思い切って、なぜ自分を採用したのか尋ねてみました。

「正直に言うと、ぴよさんよりスキルの高い応募者は何人もいたよ」

ですよねー!知ってました!私の心の中で、ツッコミの嵐が吹き荒れます。「やっぱりそうですよね!私もそう思ってました!」

上司は続けます。

「でも、みんな『こんなデザインができます』『こんなコードが書けます』というスキルの話だけだった。そんな中、ぴよさんだけが『目標達成のために、どう計画を立てて行動できるか』を具体的に話してくれたんだ」

「うちは制作会社じゃない。自社のサービスをどう育てていくかが重要なんだ。だから、言われたものをただ作るスキルより、自分で考えて計画し、実行できる能力の方が欲しかった。君の職務経歴書と面接での話は、まさにそこが光っていたよ」

これだ。私がWEBデザイナーになれた、本当の理由。

私の武器は、Photoshopのスキルでも、HTMLの知識でもなかった。「計画性」という、一見デザインとは関係のない、でも仕事を進める上で最も重要なスキルだったのです。まるで、RPGで隠しアイテムを見つけたような気分でした。

地獄のような就活期間で、無意識のうちに磨かれていた私だけの武器。それに気づいた時、これまでの全ての苦労が報われた気がしました。私の人生の経験値が、ここで一気にMAXになったかのようです。

履歴書は「魂」を込めて書け!

ここで少し、履歴書の話をさせてください。職業訓練校で学んだのは、WEBデザインの知識だけではありませんでした。実は、履歴書の書き方が、WEBデザイナーへの道を切り開く上で非常に重要だと知ったのです。

それまでの私は、履歴書を「事実を羅列するもの」としか考えていませんでした。しかし、訓練校で教わったのは、「履歴書は、あなたの熱意と、会社への貢献意欲を伝えるラブレターである」ということ。

特に重要なのは、志望動機です。一社一社、その会社の事業内容や企業理念を深く理解し、「貴社に入って、私がどのように働き、どのように貢献できるのか」を具体的に書くことを徹底しました。まるで、オーダーメイドのスーツを作るかのように、一社ごとに仕立てられた志望動機を作成したのです。

これを意識するだけで、驚くほど書類選考の通過率が上がりました。以前は秒殺だった書類選考が、なんと8割通るようになったのです!これは、スキルがなくても、伝え方次第でチャンスを掴めるという、私にとって大きな発見でした。履歴書は、単なる紙切れではありません。あなたの未来を切り開く、強力な武器になるのです。

次回予告:【最終話】私がWEBデザイナーになれた理由

ついに最終回。私の壮絶な(?)転職活動を振り返り、未経験からWEBデザイナーを目指すあなたへ、本当に伝えたいたった3つのこと。

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