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【第3話】蜘蛛の糸、職業訓練校へ。WEBデザイナーへの道は天国であり地獄だった

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無職にすら厳しい世間。まさかの不合格

「君みたいなスキルゼロは迷惑」。面接官の社長に心をのこぎりでギコギコされた私。絶望の淵でうなだれる私に、社長は意外な言葉をかけました。

「このままじゃ無理だから、一度、職業訓練校に通ってみたら?」

しょくぎょう…くんれんこう…?

ハローワークを使ったことがなかった私は、その制度を全く知りませんでした。なんでも、失業保険の給付金をもらいながら、無料で専門スキルを学べる神のような制度らしい。これだ!これしかない!私は社長にお礼を言うのもそこそこに、足早にハローワークへと向かったのです。まるで、砂漠でオアシスを見つけた旅人のように、私は職業訓練校という希望の光に飛びつきました。

ハローワークで手続きをし、意気揚々とWEBデザインコースに応募。これで私のWEBデザイナー人生が始まる…!と思った数日後、自宅に一通の封筒が。

結果:不合格

え、嘘でしょ…?企業に落とされるのはわかる。でも、学校にも落とされるの…?私の存在価値って…。出鼻をくじかれ、再び心がささくれ立ちましたが、幸いにも別の訓練校でも同じコースの募集が。私は諦めず、二度目の応募をしました。まるで、一度フラれても諦めないストーカーのように、私は職業訓練校に食らいつきました。

結果:合格!

よかった…!社会は私を完全に見捨ててはいなかった…!こうして私は、ようやくWEBデザイナーへのスタートラインに立ったのです。この時の喜びは、まるで宝くじに当たったかのようでした。いや、宝くじよりも価値があるかもしれません。だって、私の未来がかかっているんですから。

仲間と学ぶ日々。しかし講師の一言が…

訓練校での6ヶ月間は、まさに青春でした。同じ目標を持つ20代から40代までの男女が集まり、IllustratorやPhotoshop、HTML/CSSの基礎を学ぶ日々。人生で一番勉強したかもしれません。仲間とランチをしたり、放課後に作品を見せ合ったり…。ああ、なんて素晴らしいんだ。このまま卒業すれば、みんなでWEBデザイナーに…!

そんな甘い考えを抱いていた僕たちに、ある日、講師が衝撃の事実を告げます。

「はっきり言いますが、このクラスからWEBデザイナーとして就職できるのは、毎年1人か2人です」

…え?

クラスには20人ほどの生徒がいます。つまり、就職率は5%~10%。宝くじかなにかですか?私の青春は、一瞬にして色褪せました。まるで、満開の桜が突如として枯れ果てたかのようです。

講師は続けます。「企業は即戦力を求めています。皆さんはまだスタートラインに立っただけ。ここからが本当の勝負ですよ」

教室は静まり返りました。キラキラしていた私の青春は、一瞬にして殺伐としたサバイバルゲームへと姿を変えたのです。のんびりしている暇はない。卒業してからでは遅すぎる。私は、この生存率一桁のデスゲームを勝ち抜くため、訓練校に通いながら就活を始めることを決意したのでした。まるで、ゾンビ映画の主人公のように、私は生き残るために必死でした。

次回予告:【第4話】終わらない就活トンネル編

訓練校で得たかすかなスキルと、生まれたてのポートフォリオを武器に、私は再び就活の荒野へ。しかし、そこは以前よりも深く、暗いトンネルだった…。

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