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【第5話】社訓絶叫、根性論の嵐!私がWEBデザイナーとして入社し、1週間で辞めた会社の話

目次

半年間の就活の末、ついに掴んだ理想の求人…のはずが

半年以上に及ぶ就活の末、ついに見つけた理想の求人。「デザインからコーディングまで裁量権を持って働ける」という言葉に、私の心は踊りました。面接もトントン拍子に進み、無事に内定を獲得!長かったトンネルを抜け、私はついにWEBデザイナーとしての第一歩を踏み出したのです。まるで、暗闇から光の世界へ飛び出したかのような気分でした。

…しかし、その会社は、私の想像を絶する異次元空間でした。まさか、光の先にさらなる闇が広がっているとは、この時の私は知る由もありません。

入社初日、そこは戦闘民族の集会場だった

出社初日。オフィスの扉を開けた瞬間、私は悟りました。(あ、ここ、なんか違う…)

社員全員が軍隊のように統率の取れた動きをし、フロアには大声と気合の入った返事が飛び交っています。**まるで、どこかの体育会系部活の朝練風景を見ているかのようです。**そして、悪夢の朝礼が始まりました。

「我々はぁ!顧客の満足のため!己の限界を超え!圧倒的成果を出すことを誓いますッ!」

社長の号令に合わせ、全員で社訓を絶叫。声が小さいと、やり直し。私は戸惑いながら、か細い声で社訓を唱和しました。まるで、声変わり前の少年が無理して低音を出しているかのようです。

その後も、上司の武勇伝(「俺は3徹してこの案件を終わらせた」)や、根性論(「気合が足りないからバグが出るんだ!」)が延々と続きます。上司の武勇伝は、もはやWEBデザインとは関係のない、精神と時の部屋での修行の記録でした。ここは…会社なのか?それとも何かの修行の場なのだろうか?私が憧れたキラキラしたWEBデザイナーの世界は、そこにはありませんでした。そこにあったのは、汗と根性と叫び声だけです。

さらに、この会社には独特のルールがありました。

営業は超体育会系:大声で気合を入れてから一件一件電話をかけるのが日常。オフィス全体に響き渡る怒号に、私は常にビクビクしていました。

基本残業あり: 定時で帰るという概念は存在せず、毎日が当たり前のように残業。終電を逃すことも珍しくありませんでした。

勤怠はなぜか手書き、しかも改ざん指示: 勤怠は手書きで、22時まで仕事をした日でも「19時って書いといて」と指示される始末。コンプライアンスという言葉は、この会社には存在しないようでした。

強制的な誕生日プレゼント: 社員の誕生日には、他の社員から強制的にお金を集めて誕生日プレゼントを買って渡すという謎の習慣。断る雰囲気など微塵もありませんでした。

光の速さで退職を決意

業務内容自体は、確かにWEBデザインでした。しかし、常に誰かが怒鳴り、体育会系のノリが支配する環境では、とてもじゃないけどクリエイティブな仕事なんてできません。私の脳みそは、常に「逃げろ!」という信号を発していました。

日に日に私の顔から光が消えていくのを、自分でも感じました。パワハラから逃げたはずが、また別の地獄に足を踏み入れてしまった。まるで、地獄の釜から逃げ出したと思ったら、別の地獄の釜に落ちたような気分です。

そして入社から5日目の金曜日、私は退職を決意します。

上司に伝えると「根性なし!」「石の上にも三年だ!」とお決まりの言葉をいただきましたが、私の心には響きません。私の石は、豆腐でできていたのだ…。私の豆腐メンタルを守れるのは、私しかいないのです。

こうして、私の初めてのWEBデザイナー人生は、わずか1週間で幕を閉じたのでした。職歴にうっすらと傷がつき、再び無職へ逆戻り。貯金も底をつきかけ、私は本当の崖っぷちに立たされたのです。まるで、人生の最終セーブポイントにたどり着いたかのようでした。

次回予告:【第6話】本当の武器を見つける編

心も懐もどん底。後がない状況で受けた、一社の面接。そこで私は、スキルよりも大切な「自分だけの武器」の存在に気づかされる。

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